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数3 漸化式と極限
こんばんは。画像の問題の別解なのですが、赤線を引いた部分で、どう考えてy=xが出てくるのかがわかりません。逆数を取るところと、赤線以降の立式はわかります。
回答
馬場 大和 さん、こんばんは。ずいぶん久しぶりですね!
これは「ずるい手」でして、その解答ではちょっと説明不足というか…あまり答案には使いたくない解法なんです。
本来はこの数列 $\{a_n\}$ は収束するのかどうかわかっていないので、あくまでも推測として進めているのです。
(書き終わって、いま気が付きましたが、$a_n$ ではなく $b_n$ でした。書き直すのが面倒なのでこのままいきます)
「 $\{a_n\}$ は収束するとして、その極限値をαとします。
n→∞としたとき、$\lim _{n\to \infty} a_n=\alpha,\lim _{n\to \infty} a_{n+1}=\alpha$ となるので、
n→∞のときには49ページの1行目の漸化式より $\alpha=\dfrac{1}{1+2\alpha}$ が成り立つはずだ。」
というのが要点です。これを納得できれば、グラフを持ち出さなくてもαの方程式 $\alpha=\dfrac{1}{1+2\alpha}$ を解けばαは求まります。
$y=\dfrac{1}{1+2x}$ という関数でx=yになったということですから、そのグラフと直線y=xとの交点を求めると考えてもいいわけです。
これがその部分の種明かしです。
ただしこれは「極限値があるとしたら」という仮定のもとの議論でして、「あるとしたら1/2だ。でもあるかないかはわかっていない」というだけなので、今度はそれをもとにして $lim_{n\to \infty}\left(a_n-\dfrac{1}{2}\right)=0$ を示そうというのです。
これはどんな漸化式にも言えます。n→∞のときは(n-1)番、n番、(n+1)番、(n+2)番…のどれもが極限値αに近づくので、漸化式の各数列の項にαを代入しても成り立つはずなのです。ただし、それが求まったからと言って「αが極限値だ」とは結論できません。あくまでも「あるとすれば」ということです。
$a_{n+1}=\dfrac{1}{2} a_n+1$ だとα=2は正しい極限値になりますが、$a_{n+1}=2 a_n+1$ だとα=-1が得られますが、これは極限値ではありません。実際には発散して極限値を持ちません。だから、このような推測をした場合には、あとのフォローが絶対に必要になりますよ。あるいは、答案には書かずにこっそり裏でやって答え合わせに使うとか、最初から何食わぬ顔で $a_n-\alpha=\cdots$ と始めてしまってもいいかも。
やってることは「特性方程式を解く」のと同じなのですが、考え方が違っていて、特性方程式のほうは漸化式から何とかしてうまい数列(例えば等比数列)を作ろう」という考えでやっているし、いまのは「極限があるとしたら」という仮定の下での考えです。
これで大丈夫ですか?以前のように、これを読んだら、わかったとか、まだこのへんがわからないから説明してほしいとか、コメント欄になにか返事を書いてください。よろしく。
なるほどです!理解できました!ありがとうございます。
どういたしまして。追加を書いている途中でお読みになったかもしれませんので、もう一度読んでおいてください。